#066 まつ虫も鳴きやみぬなるあきの野に 誰呼ぶとてか花見にも来む
作品サイズ: | 約20×18 cm |
---|---|
仕立て: | 額装 |
どんなうた?
しいか: | まつむしも なきやみぬなる あきののに だれよぶとてか はなみにもこむ |
---|---|
詩歌: | まつ虫も鳴きやみぬなるあきの野に 誰呼ぶとてか花見にも来む |
詠者: | 伊勢 |
歌集: | 伊勢集 |
制作: | 900年頃 |
出典: | 伊勢集全注釈 角川書店 |
出典によると “人を待つという名の松虫も鳴きやむと伺っております秋の野に、飽きられてしまったわたしは、いったいどなたが呼んでいるということで花見にでも出かけたらよいのでしょうか。” とのこと。
伊勢は時の天皇の皇后 温子に仕えていましたが、宮仕え先でのトラブルが生じて里下がりをしていました。そんな伊勢に温子が早く戻っておいで(松=待つ)とばかりに歌を贈ります。その返しがこの歌で、温子の後宮では飽きられ疎んじられている(秋=飽き)から花見にはいきたくない(帰参したくない)としています。
温子と伊勢の深い関係がうかがい知れる歌です。