#083 臨 雁塔聖教序「苞乎陰陽」
作品サイズ: | 半紙 34×25 cm |
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古典: | 雁塔聖教序(がんとうしょうぎょうじょ) 褚遂良(ちょすいりょう) 筆 653年 制作 |
どんなお題?
題: | 苞乎陰陽 |
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読み: | 陰陽を苞(つつ)みて |
初唐の三大家のひとり、褚遂良さんが書いた雁塔聖教序の臨書です。
臨書とは、優れた古典を勉強するために書くことです。
臨書のやり方には、形臨、意臨、背臨とありますが、形をくみ取って筆づかいを研究する形臨をしています。
褚遂良さんは唐の太宗から高宗にかけて仕えた高官でした。
中国唯一の女帝である則天武后(武則天)を皇后にすることに反対したため、高宗や武則天の怒りをかい左遷されたような、気骨のある政治家でした。
また、書の世界では、自分より40歳ほど年の離れた、虞世南(ぐせいなん)や欧陽詢(おうようじゅん)という大先輩の偉業をまじかに見ながら、自分の境地を開拓していった方でもあります。
褚遂良さんの書は、伸びやかで艶やかなところが大好きです。
でも、その裏には、ひとりの人間のさまざまな葛藤が隠れているのだと思うと、より魅力的に感じます。