臨 張玄墓誌銘

作品

#139 臨 張玄墓誌銘 「南陽白水人也」

作品:臨 張玄墓誌銘1 作品:臨 張玄墓誌銘2
作品サイズ: 半紙 34×25 cm
古典: 張玄墓誌銘(張黒女墓誌銘)(ちょうげんぼしめい・ちょうげんこくじょぼしめい)
531年 制作

どんなお題?

題: 南陽白水人也

北魏の終末期、普泰元年(531年)に彫られたとされる、張黒女という役人のお墓に記された功績文です。

清代の書家である何紹基が蚤の市で拓本を偶然発見、推称したことで有名になりました。原石はすでに無く、何紹基旧蔵本の拓本のみが伝えられているという幻の墓誌です。

そもそも北魏とは、三国志の時代より1世紀ほど後に鮮卑によって建てられた国。漢民族ではない王朝ながら、漢化政策を推し進めたことにより、龍門石窟に代表される独自の美術様式を創出。書道史としても北魏楷書が生まれた重要な時代です。

とりわけこの書は、北魏楷書らしい強さをもちながら、北魏楷書には珍しいやわらかな字形と精妙な用筆が特徴です。

よしなしごと

臨書は面白いです。
同じ古典の書の臨書でありながら、臨書する人によってかなり違った様子になるのです。

臨書を始めた当初は、拓本と現代の先生が書かれたお手本とのギャップにだいぶ悩みました。全然違うように見えるので、どう書いていいのかわからなくなってしまったのです。

でもしばらく臨書し続けるうちに、拓本から何をくみ取ってお手本が書かれたのかが、少しずつわかるようになってきました。自分にはまだ見えない境地で書かれているそんなお手本を見ることも、とても楽しいです。

というわけで、拓本を見て書いたものと、成瀬映山先生が書かれたお手本を見て書いたもの、ふたつの臨書を並べてみました。

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