#155 よもの海みなはらからと思ふ世になど波風のたちさわぐらむ
作品サイズ: | 約24×24 cm |
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仕立て: | 額装 |
どんなうた?
しいか: | よものうみ みなはらからと おもふよに などなみかぜの たちさわぐらむ |
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詩歌: | よもの海みなはらからと思ふ世になど波風のたちさわぐらむ |
詠者: | 明治天皇 |
歌集: | 明治天皇御集 昭憲皇太后御集 |
制作: | 1904年(明治37年) |
出典: |
いたるところすべてが皆同胞であると思っている世界なのになぜ波風が立ち騒ぐのだろうか、といったかんじでしょうか。
よしなしごと
日露戦争が始まった年の御製(ぎょせい=和歌)です。
平和への強い願いとは裏腹に、戦争を引き起こした国の元首としての立場にある明治天皇の御心中、いかばかりだったでしょう。
戦争の果てに得たものは一瞬の勝利でした。しかし、その代償として失われた平和と人間の尊厳は計り知れないものです。
120年たったいまでも紛争が絶えません。
「皆はらから」と、地球上すべての人々が思えるよう、相互理解と対話を深めることが不可欠です。異なる文化や価値観を理解し、尊重することで、お互いの違いを受け入れ、共感できる結びつきが生まれるからです。
かな書を通じて日本の文化や価値観を、それをまだ知らない方々に知ってもらう一助になれば幸いです。