#260 花の色にあまぎる霞立ちまよひ空さへにほふ山桜かな
| 作品サイズ: | 全懐紙サイズ 約36×50 cm |
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| 仕立て: | 額装 |
どんな歌?
| しいか: | はなのいろに あまぎるかすみ たちまよひ そらさへにほふ やまざくらかな |
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| 詩歌: | 花の色にあまぎる霞立ちまよひ空さへにほふ山桜かな |
| 詠者: | 藤原長家 |
| 歌集: | 新古今和歌集(103) |
| 制作: | 1064年以前 (詠者没年以前) |
| 出典: | 新 日本古典文学大系11 岩波書店 |
“祐子内親王家にて人々花哥よみ侍けるに” の詞書に続く歌です。
輝くような花の色に、空一面を覆う霞が立ちこめて迷い、空までも桜色に美しく照り映えていることよ、この山桜は
といったところでしょうか。
本作品について
比較的大きな全懐紙の料紙に、和歌一首を収めました。
今回ご紹介するのは、同じ和歌から生まれた二つの表現です。
はじめに制作したのは、太めの筆による一作(後者)。
墨の揺らぎや線の強弱を生かした、情感豊かな作品にしました。
その後、もう少し空間に澄んだ緊張感をもたせたいと思い、鋒先の利く細筆であらためて揮毫しました(前者)。線を研ぎ澄ませ、静けさが残るように構成しています。
同じ和歌、ほぼ同じ構成でも、作品から受ける印象が大きく変わります。
あなたは、どちらの佇まいに惹かれるでしょうか。


