中務の歌 – 君が手に

作品

#024 君が手に まかする秋の 風なれば なびかぬ草も あらじとぞ思ふ

作品:きみがてに

作品サイズ: 半紙34×25 cm
仕立て 額装

どんなうた?

しいか: きみがてに まかするあきの かぜなれば なびかぬくさも あらじとぞおもふ
詩歌: 君が手に まかする秋の 風なれば なびかぬ草も あらじとぞ思ふ
作者: 中務
歌集: 和漢朗詠集
制作: 10世紀

君が手にした扇から生じた秋の風なら、なびかない草なんてないでしょう、というかんじでしょうか。
出典を確認できないのですが、時の天皇に贈られた扇に書かれた歌なのだそうです。論語の「君子之徳風、小人之徳草、草上之風必偃」(君子の徳は風、小人の徳は草、風が草をなびかせるように君子の徳は人びとをなびかせる)を引用して天皇をたたえるなんて、中務さんは知性あふれる方だったんですね。

秋明菊が描かれた紙に、この歌を書いてみました。
ちょうど我が家の秋明菊も花を付けだしました。日陰に植えていたときは弱々しい葉しか生えてきませんでしたが、日の当たる場所に植え替えたら、立派な葉とともに特有の花芽がいくつも顔を出してくれました。この秋明菊もきっと君子の風になびくのでしょう。

シュウメイギク

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