カミングスの詩 – seeker of truth…

作品

#040 seeker of truth/ follow no path/ all paths lead where/ truth is here

作品:seeker

作品サイズ: 半紙 約24×27 cm
仕立て 額装

どんなうた?

詩歌: seeker of truth

follow no path
all paths lead where

truth is here

作者: カミングス(E. E. Cummings)
歌集: 73 poems
制作: ~1962

この詩は古今和歌集の和歌の解釈について調べている中で出会った本、「やまとうた―古今和歌集の言語ゲーム」小松 英雄著 に取り上げられています。
日本語史の専門家であられる小松先生は、古今和歌集の和歌には複数の読み方(つまり意味)があるとする「複線構造」を提唱しています。複線構造は和歌だけではないという例で、この詩が紹介されています。
以下に本書を引用しながら先生の解釈を紹介させていただきます。

″この詩には大文字もないし句読点もない。前置詞も冠詞もない。スペースが不自然にあけられているのも気にかかる。″
一つ目の読み方は全文を通したものです。

Seeker of truth, 真理の探求者よ
Follow no path. 径を求めることなかれ
All paths lead where truth is. すべての径は導く、真理あるところへ
Here! まさに此処へ!

もう一つの読み方は、 ″中間の2行をとばして第1行と第4行とを結び付け″ るものです。

Seeker of truth. 真理の探求者よ。
Truth is here! 真理はここにあり!

詩にパズルが込められているなんて面白いですね。作者から読者への挑戦状です。
この二つの読み方をかな書の手法、墨の濃淡と散らし書きで表現できないかとチャレンジしてみました。

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