#058 青柳の糸よりかくる春しもぞみだれて花のほころびにける
作品サイズ: | 全懐紙サイズ 約49×37 cm |
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仕立て: | 額装 |
どんなうた?
しいか: | あをやぎの いとよりかくる はるしもぞ みだれてはなの ほころびにける |
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詩歌: | 青柳の糸よりかくる春しもぞみだれて花のほころびにける |
詠者: | 紀貫之 |
歌集: | 古今和歌集 |
制作: | 9~10世紀 |
出典: | 新 日本古典文学大系5 岩波書店 |
春になって青々とした柳の枝が風になびいている、あたかも糸を撚(よ)って布を織るかのように。一方で花は咲き乱れている、まるで布が綻(ほころ)ぶかのように、これぞ春だ!、、といったところでしょうか。
柳の新緑と花の色、布ができていくのと壊れていく様子、それぞれの対比が印象的です。
今日から始まる某美術展に出品した作品です。全懐紙サイズは大字と細字の中間であるため、かなの繊細さを残しつつ大胆さも入れられて表現のしがいがある大きさです。