#086 臨 寸松庵色紙「わがせこが」
作品サイズ: | 約13×13 cm (原寸) |
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仕立て: | 表装 |
古筆: | 寸松庵色紙(すんしょうあんしきし) 伝 紀貫之 筆 11世紀後半 制作 |
どんなうた?
しいか: | つらゆき わがせこが ころもはるさめ ふるごとに のべのみどりぞ いろまさりける |
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詩歌: | わがせこが衣春雨ふるごとに野辺のみどりぞ色まさりける |
歌集: | 古今和歌集 |
制作: | 893年以前 |
出典: | 新 日本古典文学大系5 岩波書店 |
今回はオリジナル作品ではなく、古筆の臨書です。
お手本にしたのは散らし書きの最高峰、寸松庵色紙です。
寸松庵色紙は折り紙のような小さな料紙に、1首の和歌が書かれています。
線の細太の変化に富んでいて、小さな紙面をダイナミックに演出しています。その他にもこの紙面にはさまざまな技巧が施されているため、書くたびに気づきがあります。
歌の意味は、夫の衣を洗濯してしわを伸ばす春です。春雨が降るごとに、野の緑の色が濃くなっていくなあ、といったかんじでしょうか。しわ伸ばしの張る(はる)と春雨の(はる)をかけているとのこと。