#093 ほとゝぎす我とはなしに卯花の憂き世中になきわたる覧
作品サイズ: | 約18×12 cm |
---|---|
仕立て: | 額装 |
どんなうた?
しいか: | ほととぎす われとはなしに うのはなの うきよのなかに なきわたるらむ |
---|---|
詩歌: | ほとゝぎす我とはなしに卯花の憂き世中になきわたる覧 |
詠者: | 凡河内 躬恒(おおしこうちのみつね) |
歌集: | 古今和歌集 |
制作: | 913年以前 |
出典: | 新 日本古典文学大系5 岩波書店 |
“郭公の鳴きけるを聞きて、よめる”
の詞書に続く歌です。
出典によると、“ほととぎすは、このわたくしではないのに、つらい世の中でわたくしが泣き続けるように、どうして鳴いて飛びわたっているのだろうか。” の意味とのこと。
「覧」は「らむ」と読み、“原因・理由を尋ねる表現” だということです。よく出てくる表現なので覚えておきたいですね。
卯の花は憂きにかかる掛詞です。また、ほととぎすの鳴くと、躬恒さん自身の泣くをかけています。
いつの時代も憂き世であることに変わりはないようです。