#098 春秋はかはりゆくともわたつ海のなかなる島の松も久さしき
作品サイズ: | 半紙サイズ 約33×24 cm |
---|---|
仕立て: | 額装 |
どんなうた?
しいか: | はるあきは かはりゆくとも わだつみの なかなるしまの まつぞひさしき |
---|---|
詩歌: | 春秋はかはりゆくともわたつ海のなかなる島の松も久さしき |
詠者: | 源実朝 |
歌集: | 金槐和歌集 |
制作: | 1219年(没年)以前 |
出典: |
春秋と季節は変わっていくけれど、海に浮かぶ島にある松の緑は永遠であるよ、といったかんじでしょうか。若くして非業の死を遂げた実朝さんの末路を思うと、とても空しく感じる歌です。
「わだつみ」にかけて波の絵が描かれた料紙に書いてみました。でもこの絵はなんだか江戸っぽくて、俳句の方が似合いそうです。
ここでふと、なぜ「春秋」?、夏はどこにいった? と疑問に。
古語辞典で「春秋(はるあき)」を引いてみると、「春と秋」に続いて「年月」という意味が書かれていました。なるほど、中国の「春秋戦国時代」とは、年がら年中戦争状態にあった時代という意味だったのか、と妙に納得しました。
芸術の秋に向けて、読売書法展、日展、地方展、社中展などと展覧会活動をしてきましたが、ようやく終わりが見えてきました。これからサボっていた9月の分も作品のアップをしたいと思います。