#105 ちはやぶる神代もきかず龍田川からくれなゐに水くゝるとは
① | ② |
作品サイズ: | 半切 約136×35 cm |
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仕立て: | 額装 |
どんなうた?
しいか: | ちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれなゐに みづくくるとは |
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詩歌: | ちはやぶる神代もきかず龍田川からくれなゐに水くゝるとは |
詠者: | 在原業平 |
歌集: | 古今和歌集 |
制作: | 877年以前 (陽成天皇が皇太子の間 ・・・ 詞書に二条后が皇太子の母妃であったときとあるため) |
出典: | 校註国歌大系3 国民図書 |
神々の御代でも聞いたことがない、竜田川がこんなに紅になって、しぼり染めのように水を染めてしまうとは、といったかんじでしょうか。「くくる」とは糸でくくって染色する、しぼり染めのことだそうです。
よしなしごと
今秋はこの歌をいくつかの展覧会に出品すべく準備しました。
参照:#096(扇面), #100(半切), #102(短冊)
本シリーズ最後になる2つの展覧会に出品した作品をご紹介します。
①は子供たちの作品を集めた主催展覧会に師範作品として出品します。今回は節目の記念大会に当たるため、めでたい金泥の紙に書きました。墨をほとんど吸い込まない紙であることと、金色とのコントラストをつけるため、濃いめに磨った墨を使いました。
近日公開の②は地方展に出品した作品です。珊瑚色に近い、ぼかしと砂子が入ったかな用の半切紙です。表面加工の度合いは比較的強めで、にじみが少々できる程度です。
①②ともに筆と墨はいつも半切かな作品を書くものを使いました。墨は粒度が異なる2種類の墨を両手に持って磨ります。墨汁も墨磨り機も使いません。