#111 秋萩をおらではすぎじつき草の花ずり衣露にぬるとも
作品サイズ: | 約13×13 cm |
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仕立て: | 軸装 |
どんなうた?
しいか: | ようえん あきはぎを おらではすぎじ つきくさの はなずりごろも つゆにぬるとも |
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詩歌: | 秋萩をおらではすぎじつき草の花ずり衣露にぬるとも |
詠者: | 権僧正永縁(ごんそうじょうようえん) |
歌集: | 新古今和歌集 |
制作: | 1124~1125年(権僧正になってから没年までの間) |
出典: | 新 日本古典文学大系11 (岩波書店) |
秋萩を折らずに通り過ぎることはできないよ、たとえ露草の花を摺り付けて染めたこの衣が露に濡れて色あせてしまうとしても、といったかんじでしょうか。
「月草」とは露草の古い呼び方。露草で染めた布は濡れると色あせてしまうので、「うつろふもの」の比喩にも使われるそうです。
よしなしごと
#086や#110で臨書した寸松庵色紙を真似た倣書(のつもり)です。
墨色の発色が良い新料紙にも書いてみたのですが、やはり本料紙の色の出方は格別です。この本料紙は雲母(キラ)が一面に塗られていて、角度を変えるとつややかなきらめきがあります。
このような掛け軸、お茶席などにいかがでしょうか。