#115 ひとはいさ心もしらずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける
作品サイズ: | 半紙 約33×24 cm |
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仕立て: | 額装 |
どんなうた?
しいか: | ひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににほひける |
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詩歌: | ひとはいさ心もしらずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける |
詠者: | 紀貫之 |
歌集: | 古今和歌集 |
制作: | 913年以前 (同集成立以前) |
出典: | 新 日本古典文学大系5 岩波書店 |
出典によると、“人の方は、心が変わったかどうか、さあわたくしにはわかりません。昔泊めていただいたこの里は、花の方はたしかに昔のとおりの香りがにおっていますね。” とあります。
よしなしごと
この歌には次のような意味の詞書が添えられています。
長谷寺に詣でるたびに泊まっていた人の家に久しぶりに泊まろうとすると、(私のことを忘れてしまったのか)その家の主が「確かに泊まる所はありますよ」と言うので、そこに咲いていた梅の花を折って読んだ歌。
久しぶりに会った人が自分のことを覚えていてくれると嬉しく、一方で忘れられていると悲しい気持ちになります。とはいえご無沙汰だった貫之さんが人のことを言う? とツッコミたくなるような、そんなシチュエーションです。