蕪村の句 – 渡し呼

作品

#137 渡し呼草のあなたの扇哉

作品:渡し呼ぶ

作品サイズ: はがきサイズ 約15×10 cm
仕立て 額装

どんなうた?

しいか: わたしよぶ くさのあなたの あふぎかな
詩歌: 渡し呼草のあなたの扇哉
詠者: 与謝蕪村
歌集: 蕪村句集
制作: 1784年以前(没年以前)

川の渡し船を呼ぶために、草むらのむこうで扇をひらひらとさせていることだなあ、といったかんじでしょうか。「扇」に感情がフォーカスされているようです。

よしなしごと

今回ははがき大の本料紙に俳句を1句書きました。
本料紙は光沢をもった「鳥の子」と呼ばれる素紙の上に、さまざまな手法により装飾をほどこしたかな書用の紙です。墨の発色の良さは写真でもおわかりいただけるのではないでしょうか。

さて紙と言えば、日展向けに二八の画仙紙をいろいろと比較しました。

二八(にはち)とは作品の大きさのこと
横が2尺、縦が8尺。1尺が約30 cm なので、横縦およそ 60×240 cm の大きさです。
このサイズの額に収まる紙となるため、画仙紙の大きさは 1.75×7.5尺(約 53×227 cm) を使うのが一般的なようです。

値段の高い紙なら良いかというと、そうでもありません。
筆運びや墨の濃度調整などのスキルや、墨に合った紙を選ばないと本領発揮できないからです。特にかな用の紙はにじみ止め加工をしているので、その加工具合が合っているかがキーポイントです。

実は今回、懇意の書道用具屋さんにご紹介いただいた紙を清書に使うつもりでした。少し奮発した紙なので意気揚々と試してみたのですが、、墨色が沈んでしまい奥行き感のないのっぺりとした作品になってしまいました。

墨と紙の相性が悪かったのか、紙の性質なのか、私の腕なのか、とにかく非常に残念な結果でした。

タイトルとURLをコピーしました