#142 雨蛙芭蕉にのりてそよぎけり
作品サイズ: | 約15×15 cm |
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仕立て: | 額装 |
どんなうた?
しいか: | あまがへる ばせうにのりて そよぎけり |
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詩歌: | 雨蛙芭蕉にのりてそよぎけり |
詠者: | 宝井其角(たからい きかく) (晋子(しんし)として掲載) |
歌集: | 句兄弟 |
制作: | 1694年以前 (同集刊行以前) |
出典: | 宝井其角全集 勉誠社 |
そのまま解釈するなら、雨蛙が芭蕉の葉の上に乗ってそよいでいるなあ、といったところでしょうか。
よしなしごと
波津 彬子先生の漫画「雨柳堂夢咄(うりゅうどうゆめばなし)」でこの句と出会いました。それは健気な蛙のお話しで、上述の解釈がよく似合っていました。
でもこの句の「芭蕉」というワードに引っ掛かりました。
調べてみると、やはりこの句を詠んだ其角さんは芭蕉さんのお弟子さんでした。そうなると別の意味が隠されているはずです。
- 雨蛙 = 雨返る ⇒ 晴(はれ) ⇒ 我(われ)、つまり其角
- 芭蕉 = 松尾芭蕉
- のる ⇒ 法る(のりとる) = 手本とする 〔大辞泉より〕
- そよぐ = 戦ぐ(そよぐ) ⇒ 戦 = おそれおののく 〔大辞泉より〕
少々こじつけっぽくはありますが、芭蕉先生への尊敬を含んでいるのではないかと思うのです。いかがでしょう。