#178 雛段の高きへ登る紅き階
作品サイズ: | はがきサイズ 約15×10 cm |
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仕立て: | 額装 |
どんな歌?
しいか: | ひなだんの たかきへのぼる あかききざはし(かい?) |
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詩歌: | 雛段の高きへ登る紅き階 |
詠者: | 山口誓子(やまぐちせいし) |
制作: | 1994年以前(没年以前) |
5段とか7段とかいう、階段状にお雛様を飾る雛段について詠んだ句です。頂上に鎮座するお内裏様とお雛様を仰ぎ見る、それは幼き少女の憧れでしょうか。
よしなしごと
昨日は桃の節句、もう一つひな祭りにちなんだ作品を書いてみました。
https://gallery-mu.totknow.com/2024/03/177kimininiyo/
実は、今回書かせていただいた俳句にある赤い雛段も含め、雛飾りには女の子を悪なるものから守るための様々な仕掛けがあることをご存じですか? そこには古人の切なる思いが込められています。
人形
5歳まで育つ子供が少なかった時代、人形は子供の身代わりでした。目に見えない何ものかが子供の命をさらっていく、しかし人形を置いておけば代わりに厄を引き受けてくれる、というわけです。
雛段(ひな壇)
赤は血の色で、神社の鳥居と同じく魔よけの意味があります。
ちなみに鳥居に塗られた《朱》には水銀が使われていたことから、防腐効果があります。朱色は仏教由来だともいわれますが、もしかすると「朱を塗ると腐らない」、つまり強力な魔よけの効果があると信じられたから、普及したのかもしれませんね。
桃の花
雛段には桃の木が添えられています。
桃は古くから邪気を払う力があるとされます。古事記にも、イザナギが黄泉の国から脱出するときに、追いかけてきた黄泉の国の魔物たちに桃の実をぶつけて逃れたとの逸話があります。
このような桃を飾ることは、かわいい我が子を病気や災難から守る厄除けになっています。