素堂の句 – 目には青葉

作品

#187 目には青葉山郭公はつ鰹

作品:目には青葉
作品サイズ:約7×13 cm
仕立て額装

どんな歌?

しいか:めにはあをば やまほととぎす はつがつを
詩歌:目には青葉山郭公はつ鰹(松魚)
詠者:山口素堂(そどう)
歌集: 江戸新道
制作:1678年
出典:元禄名家句集略注 山口素堂篇 田中善信著 新典社 p29

“かまくらにて” の詞書に続く歌です。

出典によると “目で青葉のすがすがしい景色を眺め、耳で美しいホトトギスの声を聞き、舌でおいしい初ガツオを味わう、これこそ最高の贅沢だ。” という意。“当時の江戸の人が最高の美味として愛好した魚” がはつ鰹、現代のマグロの大トロという感覚なのでしょうか。

初夏の風物を視覚、聴覚、味覚(さらには嗅覚に触覚も?)と、人間の五感を全方向から網羅した句です。

よしなしごと

木々の若芽が青々と茂る山々と、旬の初鰹により季節感がよく表われ、また言葉の音の拍子が小気味いいこの俳句を、ユニークに表現したいと思いました。

そこで選んだのが、細かな銀箔を散りばめた山型の料紙。墨の線ときれいな装飾がマッチすれば面白い作品になるのでは、との期待からです。

表装のイメージも、いつもの四角ばかりのものから、絵的なかんじに仕上げてみました。

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