麓の歌 – 庭の樹に

作品

#189 庭の樹にからまりて咲く藤の花夜みてをりぬ月の明きに

作品サイズ:半懐紙サイズ 約37×25 cm
仕立て額装

どんな歌?

しいか:にはのきに からまりてさく ふじのはな よるみてをりぬ つきのあかきに
詩歌:庭の樹にからまりて咲く藤の花夜みてをりぬ月の明きに
詠者:岡麓(おかふもと)
歌集: 宿墨詠草
制作:昭和12(1937)年
出典:新装 日本の詩歌6 オンデマンド版 中央公論新社 p361

“月夜の藤” の題で詠んだ歌です。

庭に生えているほかの樹に絡まって咲いている藤の花、夜を見て折った、月が明るかったので、といったところでしょうか。

よしなしごと

「藤を折る」なんて、てっきり平安時代の藤原氏を風刺した歌なのかと早とちりしてしまいました。

作者は明治から昭和にかけての歌人、全然時代が違いました。

この歌の出典を探す過程で、同氏の《入木抄》という著書を見つけました。書に関する指南書です。現在よりもはるかに筆文字を書いていた時代に書かれたその本は、それを学ぶ者にとっては耳が痛くもあり、学び方を照らしてもくれました。

短歌が引き合わせてくれた良い縁です。

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