貫之の歌 – 櫻花

作品

#224 桜花さきにけらしなあしびきの山のかひより見ゆる白雲

作品サイズ:半紙サイズ 約33×24 cm
仕立て額装

どんな歌?

しいか:さくらばな さきにけらしも あしびきの やまのかひより みゆるしらくも
詩歌:櫻花咲きにけらしもあしびきの山のかひより見ゆる白雲
詠者:紀貫之
歌集: 古今和歌集
制作:913年以前 (同集成立以前)
出典:校註國歌大系3 國民圖書株式會社

“歌奉れと仰せられし時によみてたてまつれる” の詞書に続く歌です。

桜の花が咲いたらしい。山の間から見える白雲はその桜の花であるだろう。

といったところでしょうか。

扇面に描かれた桜と、和歌の調べ

昨日、東京でソメイヨシノの開花宣言が出され、いよいよ春本番の訪れを感じる季節となりました。街のあちこちで蕾がほころび始め、桜の淡い花びらが風に揺れる光景は、心に優しい余韻を残します。

この喜びのひとときをより深く味わうために、桜の姿が描かれた料紙に扇面のラインをとりました。扇面の広がりはまるで桜の枝が空に伸びるようであり、その姿に筆を運ぶたび、春の息吹が感じられるようでした。

桜の花が咲いたことを、遠くの山の谷間から立ちのぼる白雲に見立てたこの歌には、自然の営みを慈しむ日本人の感性が表れています。

桜の開花は、ほんのひとときの美ですが、こうして筆をとることで、その儚くも鮮やかな瞬間を少しでも留めることができるといいのですが。

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