#233 朝がほや一輪深き淵の色

作品サイズ: | はがきサイズ 約15×10 cm |
---|---|
仕立て: | 額装 |
どんな歌?
しいか: | あさがほや いちりんふかき ふちのいろ |
---|---|
詩歌: | 朝がほや一輪深き淵の色 |
詠者: | 与謝蕪村 |
歌集: | 蕪村句集 |
制作: | 安永2年(1773年)頃 |
出典: |
“澗水湛如藍” の前書に続く句です。
朝顔が咲いている。その一輪はまるで深い淵を覗き込んだかのような色をしている
といったところでしょうか。
よしなしごと
朝顔というと、夏の早朝に咲いて昼にはしぼむ、儚くも可憐な花。
ところが蕪村は、その一輪の朝顔に「深き渕の色」を見たのです。
小さな花の奥に、深淵のような静けさや重みを感じ取った蕪村のまなざし。
それは、ただ可愛いとか、涼しげとかいった視点ではとらえきれない、人の感性の奥に触れてくるような鋭さを持っています。
可憐な絵柄に添えたこの一句、
一輪の朝顔が、季節の底にゆっくりと広がっていくような、そんな作品をお手元にどうぞ。