#234 この夕べ空しぐれつつうす日照り川の向ひに虹たてり見ゆ

作品サイズ: | 半懐紙サイズ 約37×25 cm |
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仕立て: | 額装 |
どんな歌?
しいか: | このゆうべ そらしぐれつつ うすびてり かはのむかひに にじたてりみゆ |
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詩歌: | この夕べ空しぐれつつうす日照り川の向ひに虹たてり見ゆ |
詠者: | 古泉千樫(こいずみ ちかし) |
歌集: | 屋上の土 |
制作: | 1927年以前 (没年以前) |
出典: |
この夕がたは空がしぐれ(雨が降ったり止んだりし)て薄日が照り、川の向かいに虹がかかるのが見える
といったところでしょうか。
よしなしごと
「明けない夜はない」とよく言われますが、この歌にもまた、似たような希望の感覚が込められているように思います。しぐれという移ろいやすい雨が降りながらも、光が差し、やがて虹が立つ。人生にも、そんな瞬間がきっとある。苦しいことや不安なことが続くときでも、どこかで光が射し、やがて心の向こうに虹のような兆しが見えてくることもあるのではないでしょうか。
雨が止んだあとに現れる虹は、自然からの静かな祝福のようです。
この歌を通して、誰かの今日が少しでもあたたかくなりますように。