光源氏の贈答歌 – 若紫

作品

#236 夕まぐれほのかに花の色を見て今朝は霞の立ちぞわづらふ…

作品サイズ:二六サイズ 約60×180 cm
仕立て額装

どんな歌?

しいか:ゆふまくれ ほのかにはなの いろをみて けさはかすみの たちぞわづらふ
まことにや はなのあたりは たちうきと かすむるそらの けしきをもみむ
詩歌:
夕まぐれほのかに花の色を見て今朝は霞の立ちぞわづらふ

まことにや花のあたりは立ち憂きと霞むる空の気色をも見む
詠者:光源氏と尼君
(紫式部)
歌集: 源氏物語 若紫より
制作:1008年頃
出典:証本源氏物語 東京 笠間書院
(現存、最善本の一つとされる三条西家旧蔵)

源氏は北山の寺で偶然、祖母(尼君)のもとで育てられている幼い少女に出会います。源氏が恋焦がれる継母・藤壺に似た美しさをもつこの少女に惹かれた源氏が尼君と交わした歌です。

〔源氏〕 昨日の夕暮れ時にちらりと美しい花の色を見たものですから、今朝は立ち去りがたい気がします。
〔尼君〕 本当でしょうか 花の辺りを立ち去りがたいというのは。霞んでいる空のように本心のこもらないお気持ちを見てみたいものです。

といったところでしょうか。

よしなしごと

こちらの作品、日展に次ぐ規模の大きな展覧会に出品したのですが、今年も残念ながらご縁がありませんでした。

会に所属していた頃は展示していただいたのですが、公募展とはいえ、個人で挑むにはなかなか高いハードルです。覚悟はしていましたが。。

集中して取り組み、表装まで仕立てていただいた作品ですので、完成品を見て学ぶという大事な機会を逃したのは、やはり残念です。

そこでいっそ発想を変えて、『この大きさの作品を飾ってくださる壁、どこかにありませんか?』
作品の新しいお披露目場所、募集中です。

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