#251 雪間に兆す春 ― 雪間の草の春を見せばや

| 作品サイズ: | はがきサイズ 約15×10 cm |
|---|---|
| 仕立て: | 額装 |
水彩鉛筆で描いた自筆の福寿草に、家隆の歌の下の句を添えました。
どんな歌?
| しいか: | はるをのみ まつらんひとに やまざとの ゆきまのくさの はるをみせばや |
|---|---|
| 詩歌: | 花をのみ待つらん人に山里の雪間の草の春を見せばや |
| 詠者: | 藤原家隆 |
| 歌集: | 『壬二集』・六百番歌合 |
| 制作: | 12世紀 |
| 出典: |
「まだ花は咲かない、春は来ていない」と思い、ただ待つばかりの人に、山里の雪の間から顔をのぞかせる草を見せてあげたい。ほら、もう春は始まっていますよ、と
といったところでしょうか。
春のはじまりを告げる“福寿草”
福寿草はまだ冷えの残る地面から、ためらうことなく光へ向かって咲き出します。その姿はとても小さく、決して派手ではありません。けれど、雪解けのわずかな隙間から芽吹くその動きには、抗いがたいほどの大きな流れが感じられます。
冬が厳しく、春の訪れが待ち遠しい今日このごろ。
人の心とは関係なく、草花は季節を正確に感じ取り、静かに、しかし確実に次の時へと進んでいます。
そんな冬の草花の象徴ともいえる福寿草を、画仙紙に水彩鉛筆で描きました。
派手ではないものが告げる確かな動き
この和歌と福寿草の組み合わせは、「春はまだか」と待つ気持ちに、そっと視線をずらすきっかけを与えてくれます。見えないものの兆候に気づくかどうかは、私たちのまなざし次第なのかもしれません。
季節を、部屋に迎える
本作品をお部屋に飾り、春への希望を感じていただけたら幸いです。

