臨 集王聖教序

作品

#120 臨 集王聖教序

作品:臨王羲之

作品サイズ: 半切 約136×35 cm
仕立て 表装
古典: 集王聖教序(しゅうおうしょうぎょうじょ)
王羲之(おうぎし・東晋時代 4世紀)
唐時代 咸亨3年(672) 制作

何て書いてある?

読み下し: ゆえにしる せいじのこうむるところ ぎょうぜんにしていたらざるものなく みょうかのしかるるところ
字: 故知聖慈所被業無善而不臻妙化所敷
内容: 唐の太宗皇帝が玄奘三蔵(西遊記の三蔵法師のモデル)の業績を讃えた序文

よしなしごと

書の第一人者、王羲之先生に教えを乞うべく、集王聖教序の臨書です。王羲之の後から生まれた、書をやるすべての方が必ず学んできた古典の臨書を披露するのはお恥ずかしい限りではありますが。

実は臨書をはじめたころは、王羲之の書は何がいいのかわからないし、集王聖教序は書きづらい変なお手本だと思っていました。面白くはなかったのですが何年か続けるうちに、だんだんと良さみたいなものがわかってきました。

集王聖教序は書きづらいと思ったのは、文字の大小や傾き、太さがバラバラで、字形がいびつなものがあるからです。これは、この古典が文字通り王羲之の字をかき集めて、活版印刷のように字を並べて文章にしているからです。さらに、王羲之が書いた字がない文字は、偏と旁をそれぞれ別々の字からとってきて合体させるなんてこともしています。

前述の古典の紹介のところで、王羲之の生きた時代と制作年代に開きがあることにお気づきでしょうか。王羲之から200年も後の世に生きた太宗皇帝には、王羲之の書で碑文を刻みたいという強い執念があったわけです。いかに王羲之の書が偉大なのかがわかりますね。

お悔み

梅原清山先生がご逝去されました。

先生の作品を最後に拝見したのは1月の有山社書展です。大きく1字「獻」と書かれたその作品に引き込まれ、しばらく佇んでしまいました。作品の前から離れたあとも再度拝見したくなり、何度も行き来しました。

先生の新しい作品をもうお目にかかれないのかと思うと寂しい限りです。心よりご冥福をお祈りいたします。

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