王翰の詩 – 涼州詩

作品

#206 葡萄の美酒 夜光の杯

作品サイズ:はがきサイズ 約15×10 cm
仕立て額装

どんな歌?

書き下し:葡萄の美酒夜光やこうはい
飲まんとほっすれば琵琶馬上ばじょうもよお
よううて沙場さじょうす君笑うことなか
古来征戦せいせん幾人かかえ
詩歌:葡萄美酒夜光杯
欲飲琵琶馬上催
酔臥沙場君莫笑
古来征戦幾人回
詠者:王翰(687~726年)
葡萄の美酒を夜光の杯に
飲もうとすると馬上から琵琶の音が
酔って砂の上に倒れこんだりしても、君よ笑ってくれるな
古来より戦に行って何人が帰ってこれたと思う?

といったところでしょうか。

よしなしごと

ぶどうと言えば『涼州詩』、漢文の授業でお馴染みなのではないでしょうか。

高校時代、この詩に初めて触れたとき、この詩に描かれる情景の美しさと、それとは裏腹の虚無感にしびれました。異国情緒ただよう「葡萄酒」「夜光の杯」「琵琶」、果てしなく西へと続く砂漠、そして玉門関の外に放り出された兵士たちの寂寥感…。

この詩を書作品にするにあたり、前半の美しい情景だけを取り上げ、現代日本語の書き下し文にしました。あえて後半を隠すことでこの詩の本質を際立たせたかったのですが、効果は如何に。

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