#210 白妙の袖の別れに露落ちて身にしむ色の秋風ぞ吹く
作品サイズ: | 半切サイズ 約136×35 cm |
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仕立て: | 額装 |
どんな歌?
詩歌: | 白妙の袖の別れに露落ちて身にしむ色の秋風ぞ吹く |
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詠者: | 藤原定家 |
歌集: | 新古今和歌集 |
制作: | 1202年 |
出典: | 学研全訳古語辞典 |
“水無瀬恋十五首哥合に” の詞書に続く歌です。
共寝をした翌朝の別れに露も涙も落ちて、しみじみと身にしむ色合いの秋風が吹くことだ。
と出典に。建仁2年(1202)の晩秋9月13日の夜、後鳥羽院が水無瀬の離宮で開催した歌合「水無瀬恋十五首哥合」にて詠まれた歌です。今の暦でいうと10月末、冷え込んだ夜に冴えた月を愛でながら歌会をしたのでしょう。
お気に入りの画仙紙とその使い方
かな条幅の紙として「唐紙」を好んで使っています。紙色と墨色のコントラストが程よく、滲みや擦れが表現しやすいからです。なによりコスパがいいので惜しみなく練習できます。
紙は購入してから数年間は寝かして使うようにしています。新品の紙よりもしばらく寝かせた紙の方が、繊維がしまるからです。
引き締まった繊維はにじみを抑える効果を持つだけでなく、墨色やかすれが繊細に表現されるように変化し、書き心地がよくなるといわれています。実際に新品と寝かした紙との比較はロットが違うので厳密にはできないのですが、やはり寝かした紙の方が気分よく書けるような気がします。
保管場所は直射日光が当たらず、風通しが良く、湿気が少ない場所が理想です。土蔵などがあればよいのですが、そうもいきませんから、納戸の網棚の上中段に置くようにしています。衣類用の防虫剤も忘れません。