#268 清瀧や波にちり込む青松葉

| 作品サイズ: | 半切サイズ 約136×35 cm |
|---|---|
| 仕立て: | 軸装 |
どんな歌?
| しいか: | きよたきや なみにちりこむ あおまつば |
|---|---|
| 詩歌: | 清瀧や波にちり込む青松葉 |
| 詠者: | 松尾芭蕉 |
| 歌集: | 向井去来著『旅寝論』 |
| 制作: | 元禄7(1694)年 |
| 出典: | 芭蕉俳句集 岩波文庫 |
幽玄な清滝の青い波の中に、風に吹かれてはらはらと散り落ちている青い松葉
といったところでしょうか。
芭蕉が最後に推敲した句
この句が生まれたのは、元禄7年(1694年)10月9日。芭蕉が亡くなるわずか3日前のことでした。
一般的に芭蕉の辞世の句として知られているのは
旅に病んで夢は枯野をかけ廻る
ですが、その後に推敲されたこの句は、芭蕉が最後に推敲した発句としても知られています。芭蕉は病床にありながら、この句を弟子たちと推敲しました。
散りゆく青松葉に重ねたもの
“松の青葉” といえば永遠や不変の象徴としてしばしば比喩されます。それなのに、この句では散り落ちる対象です。いったいなぜなのか。
ここからは私の推測ですが、この松の青葉は散りゆく芭蕉を重ねていたのではないでしょうか。
自らは去っても、詠んだ句は残り続ける。そんな思いが、この一句の奥にあったのかもしれません。
芭蕉の命日が近づいてきました。彼を偲び、この句を半切に書きました。
作品仕様・仕立てについて
素材:かな書用紙・磨り墨
料紙の繊細な表情と、墨の深い階調が、静かな奥行きを生み出します。
仕立て:作品に合わせた仕立て・上質な掛軸仕立て
書の趣に合わせて一点ごとに仕立て、現代の空間にも自然になじむ佇まいを大切にしています。

(AI-generated image)
Ink holds the seasons long after they have passed.
