#269 来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ

| 作品サイズ: | 半紙サイズ 約33×24 cm |
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| 仕立て: | 額装 |
どんな歌?
| しいか: | こぬひとを まつほのうらの ゆふなぎに やくやもしほの みもこがれつつ |
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| 詩歌: | 来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ |
| 詠者: | 藤原定家 ・・・ 『小倉百人一首』の撰者 |
| 歌集: | 新勅撰和歌集849・小倉百人一首 |
| 制作: | 1216年頃 |
| 出典: | 和歌データベース |
いくら待っても来ない人を心待ちにして、私は、松帆の浦で夕凪のころに焼かれる藻塩のように、恋しさに身も焦がれ続けているよ。
といったところでしょうか。
「藻塩」とは、海藻に海水をかけながら干して塩分を凝縮させ、それを焼き、さらに水を加えて煮詰めて塩を精製する、古くからの製塩法です。手間をかけて塩を作るその営みを、恋に身を焦がす心に重ねています。
この歌を詠んだのは、55歳の藤原定家。小倉百人一首にも選ばれた、よく知られた一首です。
よしなしごと
私の中学校では、毎年冬になると、百人一首大会が行われていました。
体育館に学年全員が集まり、5、6人のチームに分かれてトーナメント戦をする、冬の恒例行事です。
この大会のおかげで百人一首に初めて触れ、中学2年生の頃には100首すべてを覚えるまでになりました。
当時はかるたゲームとして親しんだ和歌が、かな書を通じて仕事として関わり、ここまで深く向き合うことになるとは思ってもいませんでした。
あの頃に覚えた歌や、そこに込められた言葉の響きは、長い年月を経て、今のかな書の制作へとつながっています。中学生の頃に出会った百人一首が、今では私のかな書作家としての大切な原点の一つになっています。
作品仕様・仕立てについて
素材:かな書用紙・磨り墨
料紙の繊細な表情と、墨の深い階調が、静かな奥行きを生み出します。
仕立て:作品に合わせた仕立て・上質なアクリル額
書の趣に合わせて一点ごとに仕立て、現代の空間にも自然になじむ佇まいを大切にしています。

(AI-generated image)
Ink holds the seasons long after they have passed.
