#095 涼しさを我宿にしてねまる也
作品サイズ: | はがきサイズ 約15×10 cm |
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仕立て: | 額装 |
どんなうた?
しいか: | すずしさを わがやどにして ねまるなり |
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詩歌: | 涼しさを我宿にしてねまる也 |
詠者: | 松尾芭蕉 |
歌集: | 奥の細道 |
制作: | 1689年 |
出典: | 完訳 日本の古典 第54巻 芭蕉句集 小学館 |
奥の細道の旅の途中、山形で読まれた句です。
清風さんという方のお宅に泊めてもらったときに、“暑い夏の旅中なのに、ここでは涼味をわが宿のものとし、わが家にいる” ようにくつろいで座っているよ、と出典にあります。
「ねまる」とは、膝をくずして座る、という意味の方言です。こちらの地方のお宅にお邪魔したときに、ご主人に笑顔で「まあまあ、ねまれ」と言ってもらうとなごみます。芭蕉さんも同じ気持ちになったということは、330年前も今も、その包容力は変わらないんだと思います。
山形をはじめ、この度の豪雨で被災した方々に、心よりお見舞い申し上げます。