#096 ちはやぶる神世も聞かずたつた河から紅に水くゝるとは
作品サイズ: | 約37×25 cm |
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仕立て: | 軸装 |
どんなうた?
しいか: | ちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれなゐに みづくくるとは |
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詩歌: | ちはやぶる神世も聞かずたつた河から紅に水くゝるとは |
詠者: | 在原業平 |
歌集: | 古今和歌集 |
制作: | 877年以前 (陽成天皇が皇太子の間 ・・・ 詞書に二条后が皇太子の母妃であったときとあるため) |
出典: | 新 日本古典文学大系5 岩波書店 |
“二条の后の、春宮(とうぐう)の御息所(みやすどころ)と申しける時、御屏風に、竜田河にもみぢ流れたる形(かた)を書けりけるを題にて、よめる”
の詞書に続く歌です。
神々の御代でも聞いたことがない、竜田川がこんなに紅になって、しぼり染めのように水を染めてしまうとは、といったかんじでしょうか。「くくる」とは糸でくくって染色する、しぼり染めのことだそうです。
百人一首の有名な歌です。競技かるたの漫画のタイトルにもなっていますね。
二条の后とは、在原業平の恋人として『伊勢物語』『大和物語』に記されている、藤原高子(たかいこ)のことです。この歌を詠んだ業平さんの心中は、穏やかではなかったのではないでしょうか。
この作品、実は某展覧会のために考えた構図なのですが、実際に軸層に仕立てるとなると非常に高価になることがわかり、断念しました。CG なら、気軽に作りたいイメージを具現化できます。