佐千夫の歌 – さ夜ふけて

作品

#104 さ夜ふけて訪ひよる人の水音に軒のこほろぎ声なきやみぬ

作品:さ夜ふけて

作品サイズ: 半懐紙 約25×36 cm
仕立て 額装

どんなうた?

しいか: さよふけて とひよるひとの みづおとに のきのこほろぎ こゑなきやみぬ
詩歌: さ夜ふけて訪ひよる人の水音に軒のこほろぎ声なきやみぬ
詠者: 伊藤佐千夫
制作: 1900年(明治33年)
出典: 現代日本文学大系10 筑摩書房

佐千夫さんが水害に見舞われたときに読んだ歌の一つです。出典には、8月28日の嵐により “波は畳の上にのぼりぬ。 ― 略 ― 水の中に独夜を守る庵の寂しさに、こほろぎの音を聞きてよめる歌” とあります。

東京に最も早くに初雪が降ったのは1900年の11月17日という朝のテレビ番組をみて、この年は豪雨があったり特別早い初雪があったりと異常気象だったのかと思いました。被災した直後に寒い冬を迎えなくてはならなかった当時の人々の気持ちはいかばかりであったでしょう。

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