#127 春のきる霞の衣ぬきを薄み山風にこそみだるべらなれ
作品サイズ: | 半紙 約33×24 cm |
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仕立て: | 額装 |
どんなうた?
しいか: | はるのきる かすみのころも ぬきをうすみ やまかぜにこそ みだるべらなれ |
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詩歌: | 春のきる霞の衣ぬきを薄み山風にこそみだるべらなれ |
詠者: | 在原行平 |
歌集: | 古今和歌集 |
制作: | 893年以前 (没年以前) |
出典: | 新日本古典文学大系 5 岩波書店 |
“題しらず” の詞書に続く歌です。
春が着ている軽やかな霞の衣は、横糸が薄く弱いので、山風が吹くとたちまち乱れそうだ
と出典の説明。春を擬人化しています。
よしなしごと
在原行平さんはプレイボーイで知られている業平さんのお兄さんです。その血筋なのか、なかなかなまめかしい歌です。
血筋と言えば、このご兄弟のお祖父さんは平城天皇、お父さんはその第一皇子です。政変などなければ天皇になれたかもしれない方々です。
平安時代は「平安」ではなく、どろどろとした人間関係から成り立っています。その中で「国風文化」と呼ばれる優美な貴族文化が生まれた、文化も政争の道具だったのですね。