読人しらずの歌 – むめのはな

作品

#138 梅の花見にこそ来つれうぐひすのひとくゝと厭ひしもをる

作品:むめのはな
作品サイズ: 半紙 約33×24 cm, 26×4.7 cm
仕立て 額装

どんなうた?

しいか: むめのはな みにこそきつれ うぐひすの ひとくひとくと いとひしもをる
詩歌: 梅の花見にこそ来つれうぐひすのひとくゝと厭ひしもをる
詠者: 読人しらず
歌集: 古今和歌集
制作: 913年以前 (同集成立以前)
出典: 新 日本古典文学大系5 岩波書店

古今和歌集の誹諧歌(ひかいか)に分類された一番目の歌です。「誹」はそしったり悪く言う、「諧」はシャレや 冗談 ユーモアという意味です。

梅の花を見にやってきたのにウグイスがヒトクヒトク(人が来る人が来る)と鳴いて頑張って嫌がっているぞ

との意訳が出典に。 「をる」は軽蔑の意を伴う「居る」と「折る」を掛けるとか。美しさとか優雅さとは違う歌のようです。こうなってくると “題しらず” の詞書もなんだか意味深です。

よしなしごと

高野切第三種の原寸大臨書と、半紙サイズに拡大展開した作品です。高野切第三種の特徴は端正な字形、墨の濃淡や細太が控えめ、絶妙な間、これらが織りなす上品なさわやかさだと思います。

その特徴ゆえに作品にするのは難しいと言われていますが、原本の品格を損なわずに散らすことを目指してみました。

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