西行の歌 – 「山家集」より春の歌10首

作品

#146 西行「山家集」春の歌10首

作品:山家集春の歌

額サイズ: 約182×79 cm
仕立て 額装

どんなうた?

詩歌:
  1. 雁がねは帰る道にや迷ふらんこしの中山霞隔てて
  2. 玉章(たまづさ)のはしがきとかとも見ゆるかな飛び遅れつつ帰る雁がね
  3. 山里へ誰をまたこはよぶこ鳥ひとりのみこそ住まんと思ふに
  4. 雲なくて朧(おぼろ)なりとも見ゆるかな霞かかれる春の夜の月
  5. 山賊(やまがつ)の片岡かけてしむる庵(いほ)のさかひに見ゆる玉の小柳(をやなぎ)
  6. なかなかに風のほすにぞ乱れける雨に濡れたる青柳の糸
  7. 見わたせは佐保の河原に繰りかけて風に撚(よ)らるる青柳の糸
  8. 水底に深き緑の色見えて風になみ寄る川柳(かはやなぎ)かな
  9. 待つにより散らぬ心を山桜咲きなば花の思ひ知らなん
  10. いまさらに春を忘るる花もあらじやすく待ちつつ今日(けふ)も暮らさん
詠者: 西行法師
歌集: 山家集
制作: 没年1190年以前、1185年頃か

よしなしごと

第39回 読売書法展(2023年)の出品作品です。

昨年までの読売展は先生にいただいたお手本をもとに仕上げた作品を出品していました。今回初めて自分で作った作品を出品しましたので、ようやく本サイトに読売展作品の掲載ができました。

さて、作品を完成させてから2カ月ぶりの対面です。それなりに自信作だったのですが、こんなだったけ? と一瞬初対面のような複雑な気分になりました。眺めているうちに、良くも悪くも自分らしい作品だと思うように。そして、ほか作品と比較することで課題がたくさん見えました。

展覧会からは毎回得られることが多いです。

タイトルとURLをコピーしました