#184 春の日に海の表を見渡せば霞に見ゆる海人の釣舟
作品サイズ: | 半懐紙サイズ 約25×37 cm |
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仕立て: | 額装 |
どんな歌?
しいか: | はるのひに うみのおもてを みわたせば かすみにみゆる あまのつりぶね |
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詩歌: | 春の日に海の表を見渡せば霞に見ゆる海人の釣舟 |
詠者: | 良寛 |
歌集: | 北越偉人沙門良寛全伝 |
制作: | 18-19世紀 |
出典: | 校注 良寛全歌集 春秋社 156 |
春の日に海の向こうを望めば、霞の中に漁師の釣舟が見える、といったところでしょうか。新潟の弥彦の五合庵から日本海を望むと、春の海は穏やかで漁師は日々の営みを淡々とこなしている様子が見て取れたのでしょう。まるで印象派の絵画のように。
よしなしごと
古筆研究の第一人者であられた飯島春敬先生が「今生の餞け」と仰るほど心血を注いだ古筆図録を入手しました。
他の本で見慣れた古筆が全く別次元に鮮やかで、墨の色が前に飛び出てきて、これぞ水茎の跡と感動しました。五島美術館で実物を拝んでいる高野切一種も印象のままです。
しかもそこには数年来探し続けてきた古筆が2葉も収録されていました。それは西本願寺本三十六人家集の斎宮集、友則集、伊勢集(石山切)と同じ手の方が書いたとされている、業平集(砂子切)です。
このような素晴らしい図録に出会えたのも何かのご縁です。