#198 山里の峰のあま雲とだえして夕べすずしきまきの下露
作品サイズ: | 半紙サイズ 約33×24 cm |
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仕立て: | 額装 |
どんな歌?
しいか: | やまざとの みねのあまぐも とだえして ゆふべすずしき まきのしたつゆ |
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詩歌: | 山里の峰のあま雲とだえして夕べすずしきまきの下露 |
詠者: | 太上天皇 (後鳥羽院) |
歌集: | 新古今和歌集 巻第三 夏歌 279 |
制作: | 1205年以前(同集成立以前) |
出典: | 新 日本古典文学大系11 岩波書店 |
山里の峰々の雨雲が途切れて、露のついた杉の木の下が涼しい夕方だなあ、といったところでしょうか。
よしなしごと
数十年前私が育ったところでは、この歌のように、夏の暑い日には午後になると入道雲が沸き上がり、夕立が降って暑さが遠のくというのが夏の日々でした。最高気温が30度を上回ることなどほとんどありませんでした。
今は全く様子が違います。夕立は「ゲリラ豪雨」と名前を変え、温度の転換点ではなく災害の発端となりました。
近年の急激な気温上昇には危機感を覚えます。かつてのような情緒あふれる日本の気候を取り戻すために、何か方策がないか常々考えています。