友則集より9首

作品

#201 わが心いつにならひて見ぬ人の思ひやりつゝ恋しかるらん 他

作品サイズ:約50×175 cm
仕立て額装

どんな歌?

詩歌:わがこころいつにならひて見ぬ人の思ひやりつゝこひしかるらん
宿やどの菊の垣根に置く霜の消えかへりてぞこひしかりける
おもひてもはかなきものは吹く風の音にも聞かぬこひにぞありける
秋風あきかぜは身をわけてしも咲かなくに人の心の空になるらむ
ささの葉に置くしもよりも一人ひとりるわが衣手ころもでえまさりける
川の瀬になびく玉藻たまもの見がくれて人に知られぬこひもするかな
よひゝゝにおきてわかるゝ唐衣からころもかけて思はぬときぞなき
東路あづまぢ佐夜さや中山なヵやまなかゝゝになにしか人を思ひそめけむ
年をて消えぬ思ひはありながら冬のたもとはなこほりけり
詠者:紀友則
歌集: 友則集
制作:9~10世紀
出典:和歌文学大系 19 明治書院

すべて、古今和歌集や玉葉和歌集に掲載された優れた和歌です。

古今和歌集は醍醐天皇、玉葉和歌集は伏見院の命により編纂された勅撰和歌集、つまり公的な格調高い歌集です。

よしなしごと

この作品は、和歌の選定から構図づくり、表現方法、そして表装の指定に至るまで、作品制作のすべての過程を一貫して自分ひとりで行いました。感性と経験を最大限に反映させることができたこの作品は、自分にとっての大きなマイルストーンです。

試行錯誤を重ねることで得られた経験は、今後の創作活動にも大いに役立つことでしょう。

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