子規の句 – しばらくは

作品

#212 しばらくは風にまかせし柳哉

作品:しばらくは
作品サイズ:約37×18 cm
仕立て額装

どんな歌?

しいか:しばらくは かぜにまかせし やなぎかな
詩歌:しばらくは風にまかせし柳哉
詠者:正岡子規
歌集:
制作:明治23(1890)年
出典:
しばらくは風に吹かれるにまかせた、柳だな

といったところでしょうか。子規さんが初めて喀血したのが22歳、その次の年に詠まれた俳句です。ご自身と柳とを重ね合わせてでもいるのでしょうか。

よしなしごと

2024年11月末に埼玉会館で開催された「インテリアの書展」に出品した作品です。

「離れて眺めると、水面に柳の枝がしだれているように見える」という、なんとも素敵なお言葉を頂きました。このような感想をいただけると、作品に込めた思いや工夫が届いたのだと感じ、とても嬉しくなります。

今回の作品は、一つ一つの文字の美しさを追求することはもちろん、インテリアとして部屋の空間に溶け込みながら、全体として「絵画」のように感じられることを目指して制作しました。そのため、書の線の流れや配置、空間の取り方には特に気を配りました。

文字そのものの形や筆跡のリズムに加えて、余白がもたらす調和や動きが、観る人の心にさざ波のような印象を残せれば、これ以上ない喜びです。今回のご感想をいただいたことで、自分の意図が観る方に伝わり、作品が「書」としてだけでなく「絵」としても楽しんでいただけたのだと感じることができました。

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